2016年02月01日

【お知らせ】企業×NGOで世界の森を守る フォレストパートナーシップ セミナー 2016のご案内

category: ニュース
皆さま

御無沙汰しています。担当の南原です。
2016年になってからすぐに、前回ご案内した「国内企業のための海外森林保全研修」でフィリピンに渡り、帰国してからずっとバタバタしていました。

さて本日は、その研修の帰国報告会も兼ねたセミナー(2月4日)のご案内です。
御都合の良い方は是非お越しください。

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1.開催趣旨
 日本国内では多くの企業やNGO/NPOが、森林保全活動や生物多様性の保全に取り組んでいます。一方、東南アジアの森林は現在も急速な減少を続けており、さらなる保全活動や再生の取組が必要とされています。
 環境省では例年、国内の企業を対象に、フィリピン共和国で日本企業が関わり森林再生を行っている現場を視察する海外森林保全研修を実施していますが、本セミナーでは、活動やパートナーシップを進めるためのヒントを掴んでいただくことを目的として、研修に参加した企業のほか、森林保全活動に長年取り組んできた企業を交え、森林保全活動に関心のある企業や海外進出先での新たな社会貢献を模索している企業の方々、企業との連携を目指しているNGO/NPOの皆様と共に意見交換を行います。

2.セミナーの概要
○ 日時:平成28年2月4日(木)19:00~21:00(開場18:30)
○ 会場:日比谷図書文化館 4階 スタジオ・プラス(小ホール)
 (千代田区日比谷公園1番4号(旧・都立日比谷図書館))
 http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
○ 主催:環境省
○ 内容:
・講演「フォレストーリー:生物多様性保全と住民の生活向上を目指した森林保全活動の取組」
 講演者:Value Frontier株式会社 取締役 梅原 由美子氏
・発表「海外森林保全研修での学び、及び自社の今後の活動について」
 研修参加企業6社6名
・全体討議「住民及びその他のステークホルダーと協働した持続可能なプロジェクトの実施のために必要なこと(仮)」、質疑応答

3.参加費
 無料

4.申込み方法
 下記URL上の申込みフォーム、E-mail、又はFaxのいずれかの方法で、本業務の委託先である下記事務局までお申込みください。
○ 申込みフォーム掲載URL:https://ssl.form-mailer.jp/fms/1eb260e2410423
 E-mail:gef@gef.or.jp
 FAX:03-5825-9737
○ お申込みの際は、表題に「環境省森林セミナー申込み」と明記し、[1] ご氏名(ふりがな)、[2] ご所属、[3] 電話番号、[4] E-mailアドレスをご記入下さい。
○ 参加希望者が多数の場合は、先着順(定員60名)とさせていただきます。

5.問い合わせ先(事務局)
 地球・人間環境フォーラム(担当:飯沼・坂本・根津)
 E-mail:gef@gef.or.jp   URL:http://www.gef.or.jp/
 TEL:03-5825-9735/ FAX:03-5825-9737
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ご参加お待ちしています。

2015年11月27日

【お知らせ】平成27年度環境省委託事業 国内企業のための海外森林保全研修 参加者募集開始

category: ニュース

連載途中のお知らせとなり大変恐縮ですが、この度「フォレストーリー・プロジェクト」の森林再生の現場を視察訪問する研修を開催することとなりました!

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 環境省では、国内の企業による海外での森林保全活動を援することで、物多様性の保全と持続可能な森林経営の取組に貢献することを指しています。今年度は国内の企業を対象に、フィリピン共和国で本企業が資提供をい、森林再っている現場を訪問し、視察、体験、現地関係者との意交換等をう研修を実施します。(http://www.env.go.jp/press/101732.html

 

【詳細】

研修地  :フィリピン共和国ルソン島パンガシナン州マンガタレム市及びマニラ

開催日時:201618日(金)午前~112日(火)午後現地発

対象    :日本国内に本社又は主たる事務所を置く企業の担当者

募集人数:10名(原則11名まで)

参加費用:往復航空運賃及び飲食費、海外旅行保険、その他個人的費用は自己負担(約810万を想定)※現地移動費、宿泊費その他現地プログラム実施にかかる費用は環境省負担

応募方法:申込書類を締切日までに提出ください 

※詳細はhttp://www.gef.or.jp/activity/forest/world/2015tour.html

応募締切:127日(月)

※航空券手配の都合上、参加をご検討される方はできるだけお早めにお問い合わせください

 

【問合せ・申込み】般財団法地球・間環境フォーラム(担当:飯沼) http://www.gef.or.jp/ TEL03-5825-9735 /Eメール:gef@gef.or.jp 111-0051 東京都台東区蔵前3-17-3 蔵前インテリジェントビル8

 

マンガタレムの森林風景.jpg 
(マンガタレムの森林風景)

植林風景.jpg
(植林の際の様子)


【研修概要】

 7千以上の島々からなるフィリピン共和国は、生物多様性が極めて高いメガダイバーシティ国の一つです。一方、東南アジアで最も速く森林減少が進んだと言われ、第二次世界大戦終了時に国土の半分を占めていた森林は、大規模な伐採、農地・鉱山開発等により2010年には国土の25パーセント程度にまで減少し、原生林はわずか7パーセント程しか残されていません。また、台風被害が大きな国としても知られ、森林伐採が進んだ地域では地滑りなどが起こり、台風の被害が拡大する傾向があるなど、森林伐採に伴う二次的影響も発生しています。

 本研修では、Value Frontier株式会社(http://www.valuefrontier.co.jp/)が、1)生物多様性の保全、2)温暖化の緩和、3)地域社会への貢献の3つを目的に実施している森林再生・保全プロジェクト「フォレストーリー・プロジェクト」のサイトであるフィリピン共和国ルソン島を訪問し、苗畑や植林地の見学及び植林体験等を行うとともに 保全活動に携わる住民団体等と意見交換を行います さらにマニラで 森林に関する行政を所掌する環境 に、保全活動に携わる住民団体等と意見交換を行います。さらにマニラで、森林に関する行政を所掌する環境天然資源省・森林管理局等を訪問し、フィリピン共和国の環境・森林に関する問題や日本企業による森林保全活動の意義や課題について意見交換を行います。

 

【研修プログラム概要(予定)】

<①18日(金)>宿泊:マニラ市内ホテル

9:30 成田発

13 45 マニラ着

ハリボン協会本部(マニラ市内)にてオリエンテーション

 

<②19日(土)>宿泊:マンガタレム市街地ホテルまたは民泊

午前 パンガシナン州マンガタレム市へ移動(車で34時間)

午後 マラボーボ植林地見学・住民インタビュー マンガタレム自治区 市長表敬訪問

 

<③110日(日)>宿泊:マンガタレム市街地ホテル

午前 カタラタラーン植林地見学・体験・住民インタビュー

午後 マンガタレム市周辺視察

 

<④111日(月)>宿泊 マニラ市内ホテル

午前 マンレルアグ・スプリング景観保護地視察

午後 マニラへ移動(車で34時間)

   環境天然資源省等と意見交換会

 

< ⑤112日(火)>

午前 マニラ市内視察

1450 マニラ発

2010 成田着・解散

 

19及び10は研修・視察終了後、参加者間での振り返り、現地政府との意交換の準備の時間を設けます。

※プログラム及び訪問先は現地政情及び受団体の事情等により変更する場合があります。

 

【フォレストーリー・プロジェクト(http://www.forestory.jp/index.html)とは?】

本プロジェクトでは、日本の企業・団体や個人等から協賛金を募り、元来生物多様性が豊かであったものの、現在は経済開発等の影響により荒廃してしまっているフィリピンの荒廃地にて、現地NGO・住民の協力の下、森林再生を実施しています。2008年より開始し、これまでに約26ha(東京ドーム約5.5個分)の荒廃地で再植林を実施してきました。

また協賛金の10%は「コミュニティー基金」としてプールされ、森林再生と現地経済・社会の発展に寄与するために、現地住民によって活用されています。


生長した木.JPG
(順調に生長している)

苗畑.JPG
(村の苗畑)

 

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皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2015年11月09日

視察報告⑤「新・植林サイトの紹介:ミンドロ島新植林サイト マンギャン・アランガン」

 前回は、ミンドロ島シティオ・パルボンの森林再生の現状を報告致しました。今回は、そのシティオ・パルボンの北に位置する、マンギャン・アランガンというコミュニティーを取り上げます。マンギャン・アランガンは、現地の先住民族で構成されており、20153月にフォレストーリー・プロジェクトの新たな植林サイトとなりました。今回はコミュニティーの概要や植林サイトの様子などをご紹介させて頂きます。

マンギャン・アランガン風景①マンギャン・アランガン風景②
(村の風景①②)

 以前、視察報告も説明させて頂きましたが、フォレストーリー・プロジェクトは、シャディ㈱様が発行するカタログギフト「AS YOU LIKEなど」にて、"チャリティーギフト"http://shaddy.jp)として掲載をして頂いており、カタログを通じてたくさんの個人のお客様より協賛を頂いています。その協賛金の総額が1ha分の森林再生を実施できる金額に到達したことを受け、今回マンギャン・アランガンと協力しながら植林を進めていくこととなりました。

インタビュー風景
(インタビュー風景)

 まずはコミュニティーのリーダーたち(4060代の男性7人)へインタビューを行いました。マンギャン・アランガンは、元々この地域の山中で生活していた先住民族で、30年程前に現在の集落のあるところに定住を始めたようです。主な生業(なりわい)は農業で、稲作、野菜の栽培、家畜の飼育などを行っています。また焼畑農業を行う慣習があり、陸稲(おかぼ)、バナナ、トウモロコシなどを栽培しています。

収穫米乾燥焼畑
(左:収穫した米を乾燥させている様子 右:バナナ栽培のために行った焼畑の様子)

 インタビューを終えた後は、実際の植林サイトへ。植林サイトは、現在集落となっているところから500700メートル程進んだ林内の斜面に位置していました。訪問当時(20155月中旬)は、植林用の種苗を林内で収集し、育苗を行っている段階でした。同行したハリボン協会のスタッフによると、マンギャン・アランガンの人々は、過去に現地の環境NGOの支援のもとで、森林再生プロジェクトを実施した経験から、既に高い森林再生スキルを有しており、今回も本プロジェクトの植林サイトとなることを快諾してくれたということでした。(むしろ1haではなく、もっと大規模森林再生を望んでいるという声もありました。)

植林サイトへ移動
(植林サイトへ移動中)

植林サイト
(植林サイト かなり傾斜があります)

その後、また500メートル程移動し、Pandurucan Fallsという滝へ。実はこの滝は、繁忙期には現地人と外国人を合わせ1100200人の観光客が訪れるミンドロ島の中でも有名な観光名所だそうです。ここで休憩している時にミンドロバンケン(Black Hooded Coucal)という鳥を発見することが出来ました。この種は、国際自然保護連合の絶滅危惧種(IUCN:International Union for Conservation of Nature)が作成した絶滅の恐れがある野生生物リストの中で、なんと絶滅寸前(CR: Critically Endangered)に指定されている貴重な種で、この地域の自然の豊かさを垣間見ることが出来ました。

Pandurucan Falls①
(Pandurucan Falls①)

Pandurucan Falls②
(Pandurucan Falls②)

最後に、コミュニティーの人々に、本プロジェクトに期待していることを伺ってみたところ、「コミュニティー基金」の活用に関心があることが分かりました。現在検討している用途としては、果物のプランテーションや、エコツーリズムの実施資金にしたいと考えているようです。マンギャン・アランガンでは、観光資源となるPandurucan Fallsなどもあるので、それらを活用したエコツーリズムなどが実現できれば、とても魅力的なサイトになると感じました。

以上、ここまでマンギャン・アランガンの概要や、植林サイトの様子についてご紹介をして来ました。20166月より実際の植林が始まっており、その後の様子については、定期的に更新をしていきたいと思います。

それでは、次回「FLUPForest Land Use Plan)とは?」について。

2015年09月10日

視察報告④「ミンドロ島のコミュニティー(シティオ・パルボン)の森林再生~自発的な森林保全の実施~」

これまではルソン島マンガタレム地区の森林再生の現状や、コミュニティー基金の活用状況についてご報告させて頂きました。今回は、もう一つの植林サイトであるミンドロ島のコミュニティーの森林再生の現状をご報告致します。

ミンドロ島では、2009年より西側のオキシデンタルミンドロ州のほぼ中央に位置するサブライヤン市のシティオ・パルボンというコミュニティーの人民組織(PO:People's Organization)と協力をし、7.02haの森林再生を進めてきました。

パルボンの木のサムネール画像

本植林地では、2009年に植林が行われ、2012年には過去に協賛頂いた分の植林・保全期間を無事に終えることができました。その当時の活着率(植林をした苗の内、きちんと根付いて生長しているものの割合)は約75%でした。それから3年経過した201553月時点での活着率は76.84%という高い水準を維持できているということが分かりました。一部の樹種は写真のように9m程度に生長し、順調に森林再生が進んでいることが分かります。

パルボンの森のサムネール画像

同行したハリボン協会の職員によると、雨季と乾季で若干の違いはあるもののプロジェクト開始当初は、ほとんど草原と言っていい状態であったが、プロジェクト開始後6年が経過し、植林とメンテナンスの成果が現れてきているとのことでした。この地域では、過去に近隣の先住民たちによる焼畑により5ha分が全焼してしまいましたが、住民の努力により見事に森林が再生しています。

キャッサバ1キャッサバ2

このような着実な森林再生が進んでいる背景には、住民の自発的な取組がありました。植林・保全期間終了後、住民たちは今後もメンテナンスを継続するために上の写真の植物を植林サイトの周りに植えることにしました。熱帯の国々にお詳しい方ならお分かりかもしれませんが、これはキャッサバという作物です。キャッサバは、茎を地中に挿すだけで成育する芋の仲間です。ほぼ一年中収穫することができるため、熱帯の国々では、主食とされている場合もあります。住民たちは、キャッサバの収穫を行うという目的で、定期的に植林サイトを訪れ、キャッサバを収穫した後に、植林サイト内を見回り、枯死してしまっている木があれば植え替えを行い、必要があれば下草刈り等を通じてメンテナンスを行ってきたのです。
イピルイピル

また、以前は植林サイト内外で薪の原材料となる木材を採取していましたが、現在は居住区の近くの草原にイピルイピル(写真の男性が持っているもの)と呼ばれている薪用の苗を植えることで、本プロジェクトの植林サイトに悪影響が及ばないよう対応をしていました。

パルボン・ミーティング風景

これらの自発的な取組の原動力は、住民の植林コミュニティーとしての「自信」「誇り」にあります。住民へのインタビューでは、本プロジェクトを通じ、「自分たちの力を合わせれば何かを達成することが出来る」「私たちは自然の恩恵を受けており、それを守っていく責任がある」というようにコミュニティーで協力をしながら森林再生に真摯に取り組んでいるからこそ出てくる意見も伺うことが出来ました。

DENRパンフレット

また喜ぶべきことに、彼らは本地域を代表する森林再生コミュニティーとして、日本の環境省に当たるフィリピン環境天然資源省が作成した冊子で紹介をされていました。住民たちもこのように紹介をされ、誇りに感じているということでした。

パルボンのPO

上の写真は、コミュニティー基金を活用して作ったコミュニティーハウス(Bunk House)の前で撮ったPOの方々のものです。住民たちは、今後も森林再生を積極的に推進していくことに意欲を燃やしています。ミンドロ島の心強いパートナーとして、今後も引き続き協力をし森林再生を進めて行ければと考えています。

以上、ミンドロ島シティオ・パルボンの森林再生の現状について確認をして来ました。次回は、ミンドロ島の新たな植林サイトの御報告をさせて頂きます。

次回「新植林サイトの紹介:ミンドロ島マンギャン・アランガン」について。


2015年08月21日

視察報告③「ナグマカパックのコミュニティー基金の使い方~コミュニティー・ビジネスの可能性~」

こんにちは。

フォレストーリー・プロジェクト事務局の南原です。

前回はマンガタレム市の2つのコミュニティーの森林再生の現状を報告しました。その中で住民たちが積極的に携わり、着実な森林再生が実現されている様子がうかがえたかと思います。その大きな要因である「コミュニティー基金」とその活用状況、成果、今後の課題等について今回は報告します。

カタラタラーンでのミーティング風景

皆様から頂いたフォレストーリー・プロジェクトの協賛金の内10%は、住民たちがコミュニティーの発展のために活用出来る「コミュニティー基金」として、提供されています。

基金の提供は直接行われるのではなく、一旦現地NGOハリボン協会にプールされ、ハリボン協会が定期的に実施する苗の活着率チェックの成果に応じた金額を、数回に分けてコミュニティーに提供しています。

ここでポイントとなるのが、活着率の目標値です。政府が主導する全国緑化計画(NGP)における目標活着率が50%である一方で、本プロジェクトの目標活着率は80%となっています。たとえ70%の活着率を実現できたとしても、それは目標の活着率を達成していないことになります。その場合は、提供されるコミュニティー基金の一部が減額となり、次回に持ち越されることになります。

活着率80%はかなりハードルの高い数値になっていますが、住民たちにとっては、各回基金を満額を受け取るために活着率80%を達成することが大きなモチベーションとなります。このような仕組みが、住民の積極的な参加を促し、結果として着実な森林再生を実現する要因となっています。

基金の用途は、大きく三つに分類されます。一つ目は、ミーティング用の食器の購入、ミーティング等で使用される集会場(Bunk House)の建設費などコミュニティーにとっての必需品の購入に充てられる場合。二つ目は、噴霧器・ナタなど、植林・メンテナンスに必要となる資材の購入に充てられる場合。そして最後は新たな収入源となり得るコミュニティー・ビジネスの資本金となる場合です。

以前のブログ記事「フォレストーリー視察報告その⑦コミュニティーメンバーとの意見交換」においても詳しく説明されていますが、ナグマカパックの住民からなる森林再生を担当する人民組織(PO)カタラタラーンは、コミュニティー基金を、特に三つ目の分類「コミュニティー・ビジネスの資本金」として積極的に活用してきました。今回の視察では、それらのコミュニティー・ビジネスが現在どのようになっているのかを確認しました。

カタラタラーン ビデオケカタラタラーン ウォーターサーバー
はじめにビデオケのレンタルビジネスについて。(フィリピンでは映像付きのカラオケ機器のことをビデオケと言います。)フィリピンでは冠婚葬祭のシーンでビデオケがよく使われるという習慣に基づき、上の写真のビデオケを購入し、近隣コミュニティーにレンタルを行うことで、POのメンバーは収入を得ていました。しかし現在は、近隣コミュニティー内に競合相手が現れたため、ほとんどレンタルを行っていないということでした。他方で写真のようなウォーターサーバーを購入し、現在は、地域でミーティングが行われる際に、このウォーターサーバーや食器などをメインにレンタルビジネスを行っています。

カタラタラーン コンポスト1
コンポスト2

次にコンポストについて。このコンポストでは、家畜の糞尿に稲わら等を投入し、ミミズで分解しています。こちらも以前は1400ペソ(20158月時点、日本円で約1,050円)、1か月に約50袋を販売しており、住民の貴重な収入源となっていました。しかし現在は、POのメンバー間でしか使われていない状態となっていました。住民によると、元々コンポストを買い求める人々がそれほど多くはなく、さらに政府が推進している全国緑化計画(NGP:National Greening Project)に全メンバーが従事しているため、コンポストの管理が出来ない状態になってしまっているためのようです(NGPに従事すると1本の苗を提供する毎に8ペソ、1haの年間メンテナンスで4,000ペソがもらえるようです)。

カタラタラーン Fishpond

次に養殖池について。この養殖池は、ティラピアという魚を養殖・販売するビジネスを行うためにコミュニティー基金を使って作られました。そして実際国から1万匹のティラピアの幼魚が供給され、一度はそれらを1kg70ペソ程度で販売することが出来たようです。しかし、その後雨季にナマズやドジョウが侵入し、稚魚を食べ尽くしてしまったため、現在はティラピアはほとんどいない状態となっていました。

以上のようにこれまで行われてきたコミュニティー・ビジネスの内、いくつかが一時的に中断されていたため、正直残念だったのですが、素晴らしい成果も垣間見ることが出来ました。住民たちは現在NGPに従事し、日当を受け取っています。その日当の一部(約30%)は、「コミュニティー基金」として自主的にPOにプールされているのです。つまり住民たちはコミュニティー基金の考え方や仕組みを他のプロジェクトにも活用することで、自分たちのために使える資金を確保しているということが分かりました。そして驚くべきことに、確保した資金を用いて下の写真のような中古車を購入したというのです。現在は、この車を活用して小・中・高生を村から学校まで送迎するビジネスを展開し、月々9,200ペソ(日本円で約25,000円)を得ています。この売上の一部は日当として担当したメンバーに提供され、残りはまたコミュニティー基金としてプールされ、新たな投資に活用されることとなります。

kataratara-nn

インタビューをしたカタラタラーンのメンバー達は、コミュニティー基金の成果として、基金を運用するすべを学んだことを挙げていました。一方で、今後の課題として、活着率とは別に、ある程度の日当がメンテナンスに従事する大きなインセンティブになりうること、自分たちの始めるビジネスの計画を慎重に検討することが挙げられました。

彼らによると、当初ビデオケのレンタルサービスやコンポスト、養殖池などのビジネスを発案した際は、「競合他社が現れること」「維持管理に労力が必要となること」などを全く検討していなかったと言います。彼らは今後もこれらのビジネスを再開することを目指しており、これまでの失敗の教訓を活かして、競合相手とどのように差別化を行うか、どんなリスクがあるのか、それに対してどのような対策をすべきか、などを考えたいと意欲を燃やしています。これらについては、事務局やハリボン協会でも、今後の改善策を検討していきます。

カタラタラーン ミーティング風景2

以上、ここまでマンガタレム市の植林状況やコミュニティー基金の活用状況について確認をして来ました。次回からは、ミンドロ島の現状を報告させて頂きます。

次回「ミンドロ島シティオ・パルボンの森林再生~自発的な森林保全の実施~」について。




フォレストーリー・プロジェクト公式ブログ